井上 昌浩

PROFILE

井上 昌浩

高校卒業後、兵庫鍼灸専門学校に進む。専門学校を卒業後、2014年に「クレインフラップ」に入社し、「鶴鍼灸院」に勤務。2018年より鶴鍼灸院の院長を務める。

外出困難な方の不調軽減を目指す訪問鍼灸

私が鍼灸師を目指したのは家族がきっかけでした。祖母と母が鍼灸院に通っていたことから鍼灸師という仕事があることを知り、進路を決めるときに高校の先生から鍼灸師になれる学校があることを聞いて、兵庫鍼灸専門学校に進みました。クレインフラップに入社することになったのは、専門学校の先生の紹介からです。鶴町代表も兵庫鍼灸専門学校の卒業生で先生と同期生で、新しく店をオープンするにあたって人材を探していました。そこで、鶴町代表を紹介してもらい、「鶴鍼灸院」で訪問鍼灸を担当することになりました。
私たちは患者様のご自宅や入居されている施設に訪問し、鍼灸施術や歩く筋肉を動かして鍛えるリハビリなどを行います。訪問範囲は大阪市の住之江区を中心に、住吉区、西成区、港区、阿倍野区、そして堺市堺区となります。患者様はほとんどがケアマネジャーからのご紹介となっています。

「痛みがとれた」という感謝の言葉に喜びを感じる

在宅での訪問施術を受ける患者様は、何らかの事情で外出できない方がほとんどです。例えば、足や腰が痛い、車いすやベッドで寝たきり生活など、外出が困難とされる方のもとへ伺っています。体の不調や痛み、不安を抱えておられる患者様に寄り添い、体の状況をきちんと知ることで、それらを取り除くように施術にあたります。
こうした身体の不調の軽減が第一ですが、同じくらい大事だと思うのがコミュニケーションです。患者様は高齢者で独居の方が多く、外部とのつながりがだんだん少なくなっていきます。当院のスタッフは30代が多いのですが、訪問した鍼灸師と話をすることで気持ちが明るくなり、精神的に安定したという患者さまも多いです。話題のきっかけづくりにニュースで時事ネタを仕入れたり、野球や相撲などの放送を見たりすることは欠かせません。会話がスムーズにできると信頼関係を構築しやすく、心も体もリラックスしてもらえると施術もより効果的になります。「あんたが来ると痛みがとれるわ」と言ってもらえるとやはり嬉しいですね。
時にはいろいろ手を尽くしてもなかなか改善しないこともあり、すべての患者さんに満足のいく施術を行うことは難しいと感じます。しかし、少しでも不調が軽くなるように考えて施術し、笑顔を見られることは励みになります。

努力の過程をきちんと評価してくれる社風

院長という役職柄、スタッフのマネジメントも私の仕事の一つです。一人で動くことが基本なのでスタッフと直接会う機会は少ないのですが、できるだけこまめに声をかけて相談しやすい環境をつくれたらと思っています。鍼灸師は経験者を採用することが多いですが、希望があれば研修や技術提供をしますし、大阪の地理に詳しくないのであれば同行することもあります。
当社は自分で考えて行動したことに対しては、きちんと評価してもらえる風土があります。その案の成功・不成功は関係なく、行動した過程が重視されるのでモチベーションアップにつながります。そのため、能動的に動ける人にとってはとても働きやすい職場ではと思います。
また、患者様は人生の大先輩たちです。私も以前、自営業の仕事をしていた患者様を担当して仲良くなり、その豊富な社会経験について聞いたり、相談に乗ってもらったりしたことがありました。普通ならなかなか出会えない、経験豊富な方に出会えることも貴重だと思います。

地域に密着し、ますます貢献できる鍼灸院に

鍼灸師には技術が必須ですが、患者様と気兼ねなく、明るく元気に接することができる方は楽しく仕事ができると思います。さまざまな症状の方を担当するので、鍼灸師として豊かな経験を積むことができる点もおすすめです。もちろんいいことばかりではありませんが、何よりも患者様の「ありがとう」が聞けたとき、この仕事をしていて良かったと思います。
クレイングループは大阪市住之江区を中心にデイサービスやケアプランセンターを展開し、地域に根付いてきています。当院もますます地域に密着し、皆様の健康回復のお手伝いをしていきたいですね。